凍瘡とは、いわゆる「しもやけ」のことです。冬期間に気温が4〜5度で一日の気温の差が10度以上になると、しもやけを起こしやすくなると言われています。冷たい外気に曝された後、血行の悪くなりやすい場所、すなわち手足の指先、耳朶(耳たぶ)、頬、鼻などに症状が出ます。皮膚が赤く腫れあがり、ひどい時には水ぶくれを起こすこともあります。痒みを伴い、入浴などにより痒みが強くなることも特徴です。子供に多い病気ですが、女性では大人になっても繰り返す人もいます。
しもやけの原因は、もちろん冷たい空気に曝されることですが、同じように寒気に当たっても、しもやけを起こしやすい人と起こしにくい人がいることが知られています。つまり、冷気に曝された後の血流の障害の程度とそこからの回復には遺伝的な差があって、しもやけになりやすい体質の人と、なりにくい体質の人がいると考えられています。
しもやけの治療には、ビタミンEの塗り薬が使われます。症状が強い場合や、広範囲にわたる場合、毎冬のようにしもやけを繰り返す人の場合などには、ビタミンEの飲み薬も有効です。しかし、しもやけの場合には予防が最も重要です。しもやけになりやすい人は、冬に外出する時には、手袋、マスク、耳当て、防止などの防寒具でしっかりと冷気を避けるように気をつけて下さい。
しもやけに関して、一つ注意しておきたいことがあります。若い女性に多いエリテマトーデスという病気があり、しもやけと良く似た皮膚症状を示すことがあります。エリテマトーデスは、皮膚症状の他にも様々な内臓の症状を伴うことがあり、皮膚症状のみではしもやけとの区別が難しい場合もあります。血液検査などで詳しく調べることによってはっきりとしますので、しもやけを何度も繰り返したり、しもやけの症状が強い人は、一度皮膚科を受診して検査を受けることをお勧めします。
(北海道支部 川嶋 利瑞)
|