帯状疱疹はヘルペスウイルスの一種である水痘帯状疱疹ウイルスが原因で起こります。水痘(みずぼうそう)罹患後、潜伏していたウイルスが、ストレスや老化、過労、病気などによる免疫低下などが契機となり再活性化し、帯状疱疹として発症します。帯状疱疹がうつることはありませが、水痘にかかったことのない人にはうつる可能性があります。その場合は帯状疱疹ではなく、水痘として発症します。
通常は生涯に一度しか発症しませんが、免疫低下などでまれに再発することがあります。
症状は一定の神経支配領域に一致した皮膚に沿って帯状に小さな水ぶくれが多数出現します。一般に体の左右どちらか片側にのみ症状が出ます。体のどの部分にもできますが、顔面に生じた場合は眼症状や顔面神経麻痺等合併することがあり注意が必要です。
治療は抗ヘルペスウイルス薬の内服や点滴が行われます。疼痛などの症状により、鎮痛剤やビタミン剤などを使用します。また、体力が落ちているときに発症する病気なので、安静にすることも大切になります。
帯状疱疹を予防するためには、水痘で獲得した免疫を高く維持するか、低下した免疫を増強できれば可能になります。その手段として水痘ワクチンの予防接種があります。予防接種により、帯状疱疹の発症率を約50%、帯状疱疹後神経痛の発症を約60%抑制できたと報告されています。特に、中高年齢以上では抑制率は更に上がるため、今後一般的に行われるようになると考えられています。
(千葉県支部 加藤 篤衛)
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