皮膚が赤くなって盛り上がり、表面に乾燥した白い垢が付着し、ポロポロと剥がれ落ちてくる病気です。肘や膝、すねやおしりや背中などに出やすく、頭の皮膚で始まる方も少なくありません。頭だけですと「脂漏性皮膚炎」という頭のふけ症と診断されていることも多いようです。原因はまだはっきり分かっていませんが、遺伝的な要素とともに外的因子(ストレス、感染症など)や内的因子(肝臓病、糖尿病、メタボリック症候群など)が加わって発病や悪化がおこるといわれています。「かんせん」という名前から「感染」するのではと心配されたり、垢がポロポロ落ちてくるので「うつるのではないか?」と、銭湯などで入場を断られたりすることもあるようですが、「決してうつりません!」白人に多い病気で人口の1−2%といわれていますが、日本人には少なめでおよそ0.1%、1,000人に1人の頻度と推測されています。遺伝に関しても欧米では家族内発症が20−40%といわれていますが、日本では4−5%と低めです。治療は、塗り薬による治療がまず最初に行われます。ステロイド外用薬に加え、近年ビタミンD3外用薬が広く活用されています。チビチビ塗るのでなく、しっかり塗ることで、結構よくなるものです。ひどくなってきた場合は、内服のお薬や紫外線を照射する治療などが行われ、最近では重症の乾癬に生物学的製剤と呼ばれる注射の薬も登場しようとしています。関節の痛みや変形が伴う乾癬(およそ5%)もあり、高価ですが注射が効果的です。あきらめないで皮膚科を受診してみましょう。全国には迷える乾癬患者さんのための患者会もあり、悩みにお答えしています。主な患者会のホームページアドレスを下記にご紹介しておきます。
主な患者会のホームページ
北海道 http://www.kansen-hkd.com/
東京 http://www.kansen.info/index.html
大阪 http://derma.med.osaka-u.ac.jp/pso/
(東京都支部 江藤 隆史)
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